日本唯一のパルマハム職人の作るペルシュウ(プロシュート)工場 BON DABONに行ってきました

プロシュート工房BON DABON
プロシュート工房BON DABON

先日友人からパルマハム職人になって日本でプロシュート工場を立ちあげた人がサイトの更新とか出来る人を探してるという話を聞いて即「YES!YES!YES!」と受けました。

それならやはり本人から話も聞きたいし、工場も見たいし、何よりプロシュート食べたいよね!という訳で3月の中旬に岐阜県の洞戸高見という所まで車で行ってきました。

誤解がないように書いておくと三大ハムの1つであるパルマハム(ちなみに他の2つは金華ハムハモン・セラーノ)はイタリア パルマ市内のランギーノという地区で作られたものだけに付けられるものでパルマハム職人が同じ製法で作ったとしてもパルマハムを名乗ることはできません。

この時点でタイトル含めて「ペルシュウ」「プロシュート(プロシュット)」「生ハム」という3つの名前が登場してますがペルシュウはプロシュートの訛った呼び方であるのに対し、日本での生ハムは非加熱のハム全てに当てはまるため、熟成されているペルシュウ(プロシュート)とは似て異なるものだそうです。

またご本人はこの「ペルシュウ」という呼び方に非常にこだわりを持っているため、以下よりペルシュウで統一します。詳しくは「ご本人のブログ」を参考にして下さい。

BON DABON洞戸工場
BON DABON洞戸工場

という訳でやってきたのは岐阜県洞戸高見にあるペルシュウ工場BON DABON(ボンダボン)。BON DABONは「とてもおいしい」の意味とのこと。

工場を運営しているのは多田昌豊さんという方で大学卒業後イタリアに渡り、パルマハム職人になったのち帰国してペルシュウ工場を立ち上げたそうです。

特別に工場内の各部屋を順に説明と合わせて教えてもらいましたが、間違った事を書けないのと工場内にはオープンにできない場所があるので一部のみ抜粋して簡単に紹介します。
ザッとペルシュウの製造過程は以下のような感じ。

①豚の選別 → ②屠畜・解体 → ③塩漬け → ④乾燥 → ④脂塗り → ⑤熟成 → ⑥審査 → ⑦完成(焼印)

当初工場で行う③〜⑦をやっているのかと思いましたが、①の豚の選別からの全てを多田さん一人で行なっているというのがスゴい。詳しくはコチラに書いてあります。

ちなみに④の乾燥部屋を見せてもらった時に「例えて言うならここは熟成前のリラックスルーム」と聞いてオーケストラを聴かせた牛の乳は出がいいという話を思い出したので見たばかりのレ・ミゼラブルの主題歌をアン・ハサウェイばりに歌おうかと思ったけど屠畜もやってる事を思い出し自粛。

そして⑦の熟成ルームへ。
こちらは大量の豚腿肉が吊るされた部屋で写真などで見たことある人もいるかも。

ズラリとならんだ肉肉肉!!
ズラリとならんだ肉肉肉!!

部屋一面の肉肉肉ゥゥゥゥ!!!!

圧巻の量にこれまでの工程や思いを聞いてるだけに神々しくすらあります。
また熟成室の状態はデジタルとアナログの計器の両方で常に管理しているそうですが、一番の判断材料は自分の培った感だそうです。カ、カッコいい、まさに職人・・・

聞いたところ大学の研究室時代に解禁されていなかったパルマハムを食べたのが切欠だそうです。
その後、イタリアに渡ってパルマハム職人の称号を得るわけですが、当初現地に行けばなんとかなるだろうとイタリアに行ったものの1年間なんともならなかったと(笑
しかもイタリアに渡ったのが29になってからというのがスゴい!情熱と行動力があれば年なんて関係ないんだなと痛感させられました。
そして帰国後、パルマハム協会と日本でパルマハムの啓蒙活動を行いつつペルシュウ製造を開始しBON DABON設立に至ったそうです。

・・・なんか話を聞いていて、独立したものの何とか生活をしていってるという自分がヒドく情けなく思えてきました。イヤ、一応志はあるんスけど…一応それに向けて行動してるんスけど…。

自慢のペロシュウに囲まれた多田さん
自慢のペロシュウに囲まれた多田さん

そんな自慢のペルシュウに囲まれた多田さん。
ちなみに下に置いてある鍋に④で使用するラードが入ってます。
撮った後で気付くあたり自分のカメラマンに向いてなさを物語っている…。

一通り工場を見学させてもらった後、そのペロシュウをご馳走して頂けるという嬉しい事態に!!という訳でごた〜いめ〜〜〜ん!!

金と銀のスライスされたペロシュウ
金と銀のスライスされたペロシュウ

赤々としてるかと思ったら鮮やかな桜色のようなピンク!!
確か

手前:銀ラベル・Argento (アルジェント)
奥:金ラベル・OroSpeciale(オーロスペチャーレ)

だったと思うけど自分じゃ見た目だけだとどっちがどっちかわかりませんでした。
ちなみに銀が15~18ヶ月熟成で、金が18ヶ月以上熟成させたものだそうです。

何と美しいペロシュウ!
何と美しいペルシュウ!

細かい筋が何とも美しい!!
食べてきた生ハムとは全然違うチーズのような濃厚さで噛むほどに味が出てきます。
常温でしばらく置いてからが食べごろと教えてもらった通り、常温になってから濃厚さが増してより美味しくなりました!!
また金の方がよりコクが深いという感じがしましたが、好みの問題だと思えるぐらいどちらも絶品!

まさにBON DABON!!

ペルシュウと合わせて奥さんの手料理のパスタやらサラダやらクリームブリュレやらをこれでもかというぐらい頂き、これも美味しかったんですが食べるのに夢中になって全然撮ってません(笑
また奥さんは元獣医で長崎で開業までしていたのに、ペルシュウを作るのに海風が当たる所はNGという事で病院をたたんだという姉御肌な素敵な方でした。

日本では生ハム全般スライスされた状態で販売されますが、イタリアではペルシュウはほとんどの家庭にスライサーがあり主婦が骨抜きをできるため熟成室で見た塊で販売していて、いつでも必要な分だけスライスして食べられている庶民的な食べ物なんだそうです。
確かに安いといえるものではないけど日本でも1本丸ごと販売されて各家庭で食べられるぐらい庶民的な食べ物として広まって欲しいと語ってくれました。

う〜ん、確かにこれが家に常備してあって食べたいときに食べれたら幸せだなぁ…。
酒好きの自分にとっては特に。この場ではワインで戴きましたがアッサリした日本酒にもよく合うんでないかと。
(ちなみに車でしたが帰りの運転は紹介してくれたK氏(酒が苦手)がしてくれました。ホント感謝!!)

また色々な話を聞いている時にプロ●ェッ●ョナル(もしくはプロ●ェクトX)を見てる気分になってたんですが、現に取材依頼などはあるらしいです。ただ今は製造に集中したい事と受けるとすごい量の問い合わせがあるらしく断っているそうです。
確かに某番組で某酒造の杜氏さんが紹介された途端にショップサイトがサーバー落ちた上に生産も間に合わなくて3ヶ月待ちになってたなぁ…。

そんな素晴らしいペルシュウは現在メール、FAX、電話から購入できるので、是非今のうちにご賞味下さい!
「日本人唯一のパルマハム職人」といった肩書きで、いつプロ●ェッ●ョナルやカン●リア宮殿のような番組に登場してもおかしくない人なので食べれるうちに食べておくことをオススメします(笑

ちなみに事前に連絡頂ければ直接現地で購入も可能なようです。
BON DABONのアイドルのフレンチブルドックが元気にお出迎えしてくれますよ!

BON DABONのアイドル
BON DABONのアイドル

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